前回の記事で紹介させて頂きたIAAE2022(第19回オートアフターマーケット)のなかで
洗車関係の出展ブースが大変多いことに少し驚いたのと嬉しさが込み上げてきました。
車を使用する限り必ずボディは汚れますので洗車をすることになります。
特に洗車が好きなオーナーは手洗いで入念にゴシゴシしますし、今ではガソリンスタンドへ行けば
洗車機に通すだけで気軽にボディをキレイにすることができます。
ちなみにアメリカでは日本みたいにこまめに洗車をする習慣がないらしいと聞いてまたさらにびっくりしました。
IEEAではセミナーも開催されておりまして
本荘興産「クルマの”美容師”が活躍する繁盛店のつくり方」
という内容のお話を聴講し、これからの自動車業界が勝ち残る為に今する事が詰まっていたのでここでご紹介したいと思いました。
この記事を読んで頂き自動車業界に興味がある方へお役に立てれば幸いです。
ちなみに前回書いたIAAEレポート記事も良かったらご覧ください。
自動車業界で勝ち残る為に今すること【クルマのキレイをビジネスに!本荘興産のセミナーで学びました】
①洗車・磨き・カーコーティングの事業構築サポートを展開する本荘興産
1986年岡山県倉敷市を拠点に洗車コーティングに特化した事業を開始した本荘興産。
当時は洗車というものは納車前に行うサービスの一環として扱われており
ビジネス展開されるまでに大変苦労されたそうです。
1995年ごろからダイハツのディーラーで採用されてからは徐々に洗車コーティングを主体としたビジネスが認められてきたということでした。
2002年にはオリジナルの洗車モップを開発。
トヨタx安全自動車x本荘興産 共同開発「ウォッシュマンシリーズ」など洗車ビジネスのパイオニアともいえる企業です。
②洗車をビジネスと捉えるかどうか
まずは街の整備工場が捉える「洗車」とガソリンスタンドやカーディーラー・専門店がが捉える「洗車」について下記のようなイメージがありませんか?
街の整備工場
➡バケツ・洗車スポンジ・ボロボロの雑巾を使用して洗車シャンプーを使っているのか使っていないのか・・・とりあえずお金ももらえないのでそこそこの時間に完了しとかないと割に合わない。
ガソリンスタンド/カーディーラー/特化型洗車コーティング店
➡お客様の大切なマイカーをキレイにするためにはこだわりの洗車道具を使用し、織田割の洗車シャンプー・コーティング剤を使用しなければならない。1項目ずつ細かく価格設定がされておりお客様が納得して有料で洗車コーティングを依頼している。
・・・自動車整備工場の人材不足やスタッフのモチベーション維持が大きく関わっていると思っていますが洗車に対しての考え方を変えるだけで大きなビジネスチャンスになるということでした。
③洗車はお金をもらって集客できる
洗車をビジネスにすれば集客もできてしまうというのです。
車は定期点検や車検など定期的にクルマのメンテナンスをする為に車を預けることになります。
納車時、ピカピカになった愛車に乗って帰れば「この自動車屋さんに頼んで良かった」と思ってくれるお客様が増えます。
そうするとSNSや口コミで「あのお店に洗車をお願いしたらピカピカになって最高」なんて呟いてくれれば新たなお客様の来店に繋がります。
洗車でお金をもらってさらに新規のお客様がご来店される。
最高じゃないですか。
④手洗い洗車”最適化”ツール「ウォッシュマン」
本荘興産は先の分でもご紹介したように、
トヨタx安全自動車x本荘興産 の3社合同で「ウォッシュマンシリーズ」を共同開発しました。
トヨタはNOAH/VOXY・アルファード/ヴェルファイヤ・ハイエースなど背の高い車両が大変人気です。
このような車両を洗車しようと思うと脚立に乗って手を伸ばしたりしゃがんだり苦しい態勢での洗車は非常に作業効率が悪く身体的に疲れます。
このような問題を解決するツールとして開発されました。
実際に下記のように改善したそうです。
- 作業時間が約40%削減
- 身体負担の約65%軽減
- 導入満足度約92%達成
※車両製造工場での作業者の負荷を計測する「エルゴノミクス」という技術で測定。
エルゴノミクスとは繰り返し作業するときの姿勢が原因で腰痛を発症する人の作業の辛さを数値化する評価方法
⑤高齢スタッフや女性スタッフが楽しく洗車をする
自動車業界での問題は人材不足です。
本荘興産のビジネス展開では「高齢者や女性が活躍できる職場」が大きなテーマとなっています。
先のウォッシュマンのモップを使用して非常に時間的・身体的負担を軽減した洗車が実現した為、高齢者や女性でも無理なく洗車できる環境を提供できる職場を提供できればメカニックの雇用とは分けて考えることができるのではないでしょうか?
とくに女性はシフト制でパートを採用し楽しい職場を展開して成功させているショップもあります。
洗車の仕事は考え方やツールを変えれば柔軟に取り組めるということです。
洗車の”美容師”を育成しましょう!
⑥洗車を制する者はデジタルを制する
今の時代、ホームページやSNSで集客を行うことはマストです。
TwitterやInstagram、Facebookなどで作業紹介や求人を行っているショップが多いです。
「timy」(タイミー)というアプリをご存じでしょうか?
要はクルマ版のホットペッパー的な位置づけです。
今ではユーザーがこのようなアプリを使用してショップを選べる時代です。
日時や場所・料金体系などユーザーがショップを選ぶ基準は様々ですが、
食べログのように「口コミや評価」が重要になってきます。
DMや電話営業は正直しんどいですよね。
⑦まとめ
いかがでしたか?
自動車業界で勝ち残る為に今すること・洗車について今向き合うべき事は下記のような項目ではないでしょうか?
- 洗車コーティングのような特化型ビジネスの導入
- 洗車に対する質の向上・有料化
- ツールを活用した作業効率化
- 高齢者や女性が楽しく働ける職場を目指す
- SNSやアプリを積極的に活用し集客する
先日、整備工場の管理職の方とお話する機会がありました。
いま、現場で一番困っていることは「いろんなことにチャレンジしてみたいし提案したいけど現場スタッフのモチベーションがどうやったら上がるのか・・・」ということでした。
一言で解決できる内容ではないですがこの部分も企業が生き残っていくための大きな項目だと思っています。
過去に洗車についての動画をかいていますのでこちらもご覧ください。