昨今の自動車整備工場の状況は二極化の一途を辿っています。
大手の大規模整備工場兼中古車販売店の出現により中小の整備工場に激震が走りました。
ユーザーの流出は衰えることなくすさまじい勢いで影響を及ぼしました。
打撃を受けて持ちこたえられなかった整備工場や跡継ぎがおらず未来が見えない整備工場は軒並み廃業に追い込まれています。
整備士は「未来のある整備工場」を求めて就職活動をすることでしょう。
中小の整備工場は今までと同じ事をしていてもこの先の需要は先細り・・・
生き残るためには未来のある整備工場へ生まれ変わる必要があります。
では整備工場は何をすべきか?
これから中小の整備工場が生き残りをかけて取り組むべき事を3点紹介していきたいと思います。
中小の自動車整備工場が生き残りをかけて取り組むべき事3選【整備士は未来のある整備工場へ就職しよう】
①中小規模の自動車整備工場が生き残るためには「独占」
中小規模の整備工場が大規模の整備工場と真っ向から張り合ったとしても、価格面やスピード面で太刀打ちできないでしょう。
そこで「サービス」の質を向上してもボリュームが飛躍的に上がる事は考えにくいので
一定数のお客様を維持することが必要です。
価格やボリュームで敵わないなら「独占」しかありません。
特化型の修理に注力すれば競合はいませんので他の競合が出現するまでは「独占」状態になるのです。
そうすると独占状態ですから需要さえあれば依頼が集中したちまち忙しくなるはずです。
『必要とされているがまだ供給が追い付いていない部分』
具体的に3つのパターンを選出しました。
②取り組むべき事その1:クラシックカーの修理に特化
クラシックカーの修理は『人手不足』です。
当然のことながら大変難しい分野ではありますが、
この先クラシックカーの需要が無くなっていくことは考えにくいです。
むしろ、腕が良ければひっきりなしに修理やメンテナンスの依頼が舞い込んでくることと思います。
部品の手配や代用品の作成やリサーチ、繊細な修理・・・
知識とセンスが必要ですがクラシックカーのオーナーさんは
『安くで治すよりも確実に治してほしい』のです。
薄利多売で競うことはありません。
京都の斎藤商会さんはクラシックカーの修理に特化してたくさんのお客様をお迎えされています。
YOUTUBEでもかなり人気の『京都はんなりチャンネル』
いつまでも好きなクルマを丁寧に修理されている様子は大変ながらも楽しそうですね。
若いうちから勉強しておくのも良い時間の投資かもしれません。
③取り組むべき事その2:キャブレターの修理
キャブレターは一昔前のクルマにはよく使用されておりました。
キャブレターの調子が悪くなると『オーバーホール』を行ってくれる業者さんへ依頼をしていたわけなんですが...ここ10年程で次々に廃業されてしまいました。(京都市内)
現在サービスを行っている業者さんをネットで探し、大阪の業者さんを見つけたので電話して確認してみました。
「予約が入り過ぎていて予定が立てられません・・・」
そうなんです。
キャブレター本体の販売が終了している為、オーバーホールせざるを得ないのです。
現在も修理サービスを行っているという事こそが「強み」なのです。
先程のクラシックカーの修理についても言える事ですが、
技術を持っているシニア層の諸先輩方に活躍して頂く場でもあると思います。
年齢によっては重労働になってしまうかもしれませんが、今でも「技術」を求めているオーナーがいること、技術を受け継ぐ若手メカニックの育成こそが「独占」のカギではないでしょうか?
④取り組むべき事その3:樹脂溶接
樹脂溶接は数年まえから自動車整備業界で注目を集めているツールの一つです。
以前に私が記事にまとめました樹脂溶接機器メーカーの「ポリバンス」です。
宜しければ是非ご一読下さい。
ヘッドライトのブラケット折れやバンパー・スポイラーのちぎれなど樹脂溶接によって補修するものです。
ウレタンエアロバンパー破損、破片脱落修理 – ポリバンス jyusuiripea.com (jyusiripea.com)
先の記事でもお伝えしたんですが、まだまだ本格的に導入している整備工場さんは少ないんです。
特に京都に関しては0件とのことでした。(2022年時)
導入には先行投資が必要ではありますが、導入後の収益イメージとしては
- 自社修理に使用
- 修理依頼を受ける
という形がとれます。
保険修理で交換していたヘッドライトなどの高額部品を修理することで工賃収益を得るというところも大きな魅力です。
1番に導入することに意味があります。
樹脂溶接を「独占」すべしです。
技術職は永く役に立ちますから良い職業だと思います。
⑤まとめ
いかがでしたでしょうか?
ニーズがあるところにチャンスが眠っています。
いち早く気づき、いち早く行動に移した整備工場が「独占」し「未来ある整備工場」となるわけです。
今はなんとか成り立っているかもしれませんがこれから先1年・・・2年・・・厳しくなっていく前に一度考えてみて下さい。
整備工場も整備士も技術も絶やしてはなりません!
大事な日本の誇れるタカラですから。
最後までお読み頂きありがとうございました。