何となくピボットラーニングという動画を見た時、ゾッとしました。
「Z世代を育てるマネージメント」という題名で、元DeNAで人材育成の責任者をされていた坂井風太さんのトークに耳を奪われました。
自動車部品商でも起こっている「人材不足」「中堅層の育成不足」
これらは深刻な問題で企業を潰しかねない大きな問題になっています。
これらの問題を『組織のサイエンス』として分析されています。
非常に面白いです。
この様子を自動車部品商に当てはめて考えてみましたので宜しければご覧になってみて下さい。
Z世代を育てるマネージメントについて【自動車部品商の現場に当てはめても合致した内容を解説します。】
①いても無駄・言っても無駄
私が就職をしたのが今から約20年前の事です。
(もう20年も経つのか・・・)
その時は終身雇用こそが就職の魅力で会社に永くいる事こそが正解とされていましたよね?
私も父に「これで安泰やな」と言われたのをハッキリ覚えています。
ですが、今のZ世代の子たちはどうなのでしょうか?
会社で「5年後・・・10年後どうなっていたいですか?」って問いかけられてどう思っているのでしょうか???
年金も当てにならず、自分でiDeCoを始めなさいとか老後のことは自分で考えるのが当たり前の時代になった事をZ世代の子たちは痛感しています。
そうすると何が欲しいのか?それは『キャリア』
少しでも早く「どこでも稼げる人材になりたい」と思っているのです。
我々30代40代が持っている時間軸と大きくずれており、大体3年程で見切ります。
その時にキーワードとなるのが「いても無駄」と「言っても無駄」です。
「いても無駄」
ミドル:会社(パワハラ✖ モラハラ✖)➡恐怖心
Z世代:「優しいけど成長できない」➡先輩・上司に憧れない
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ミドル:憔悴している
Z世代:提案をしてもNOと言われる
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ミドル:惰性で会社に残っている。
Z世代:不信感➡ここにいても無駄
「働き甲斐」より「働きやすさ」が高まる。
「言っても無駄」
ミドル層
「自分の時代をこうやってきた」「こう育ってきた」
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教育の参考が自分か上司しかいない➡我々が正しい・前提(知識マウント・経験マウント)
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Z世代:提案をしてもNOと言われる
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ポジティブなZ世代は離職
諦めた者だけが会社に留まる。
「上司への不信感」から「会社への不信感」が高まる
②生存者バイアスが引き起こしている悪しきマネージメント
生存者バイアス(偏り)を放置すると・・・
- 上司への不信感➡会社への不信感高まる
- 業務悪化
- 限界を超えたスタッフが離職
問題が起こってもミドル層には打ち手が無い
- 中身のアドバイスが無く、パワハラ・モラハラの手段が取られていた
第1世代・・・自分はこう育ってきた。
第2世代・・・自分もこう育ってきた。
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考えが正当化され悪しきマネージメントとなっている。
③経営層とミドル層・現場との溝
経営層・・・あまりよく状況を把握できていない。
問題は外部コンサルに依頼➡問題解決と考えてしまう。
ミドル層・・・自分のやり方で成功している為正当化/無自覚
事業の拡大・組織の統率(ハラスメント厳禁)➡無理ゲーを強いられている。
現場マネージャー層・・・自分のやり方でしかマネージメントできない。
この会社に残って大丈夫か不信感
現場エース・・・業務量が特に多い。マネージャーが提案するも却下されている様子を見て諦める。➡痺れを切らして退職。
最も責任の想いミドル層は教わってきた教育の方法が(ハラスメントとされてしまう行動が)厳禁となってしまい、現場組織の統率に悩んでいる。
さらに経営層からの容赦ないノルマをクリアしなくてはならず板挟み状態。
『無理ゲー』を強いられている。
④自己効力感から組織効力感へ
ではZ世代を育てるカギは何なのか・・・
A.自己肯定感
(自分なら成し遂げられる。)
(あいつもできたなら自分もできる。)
(他者が再現してほしい能力やスキルを褒める)
・達成経験から生まれる経験学習(なぜうまくいったのかコツをまとめると・・・)
・アンラーニング(〇〇さんは君の発言褒めていたよ➡発言に自信を持つ)
・ロールモデルストレスの軽減(中途採用スタッフはすぐに結果を求められる➡信頼しているという精神的安心を提供し組織に馴染ませる。ネットワークを活用しコミュニケーションを図る)
・自分で自分の仕事を楽しくする技術
『1年前に君は〇〇なんてできると想像していた?今それが当たり前にできていて成長しているね』
『1週間前には無理だと言っていた仕事を解決させている君は確実に成長している』
B.組織肯定感
自己肯定感も集まり➡組織肯定感
(自分達なら成し遂げられる。)
(あいつ達もできたなら自分達もできる。)
(組織が再現してほしい能力やスキルを褒める)
自己肯定感-組織肯定感は『成功体験』とは意味がまた違います。
『掲げた目標数値を達成した』という数値的な達成ではなく『〇〇君は1週間前は▲の対応ができなかったけど今はできるように成長している』という個人の成長を達成に置き換える。
⑥組織効力感は『スラムダンク』
《例1》
赤城キャプテンは初心者の主人公・桜木花道に「リバウンドは全国レベルだ」と成長を褒めリバウンド王としてチームに大きく貢献した。
《例2》
全国大会に進んだ湘北は他校が『桜木はシュートが打てない』という固定観念を利用し、『重要な場面で桜木のシュートが勝利のカギになる。お前ならできる』とシュートの練習をさせる。
シュート能力の高いエース流川があえてノーマークの桜木へパスを出し、シュートが決まり勝利する。
組織肯定感が集約されたコミックと絶賛されていました。
⑦まとめ
今、現場は人材不足に悩まされています。
働き方改革という名目で間違いなく働きやすい職場にはなった感触がありますが、働き甲斐は働きやすさでは解決しない問題です。
Z世代も社会に対して怖がっているというのが本音だと思います。
それはハラスメントの恐怖では無くキャリア構築に対しての不安・恐怖を持って入社されてきているものと思います。
その会社には昔からの習慣・考え・間違った価値観や教育が根深い問題がはびこっています。
経営層の早急な改善とミドル層-現場リーダー層の組織改革が必要です。
『俺が入社したころは・・・』
『俺が若いころは・・・』
『俺の上司は・・・先輩は・・・』
『残業〇時間で・・・休みが無くて・・・我慢して・・・』
このフレーズは死語として捉え、同世代の目線に合わせてZ世代と共に会社を発展させていく事が求められています。
最後まで読んで頂き誠にありがとうございました。