クルマとバイクのIamtamuraブログ

SWM・グランツーリスモとFIATパンダに乗る自動車部品商Iamtamuraがバイクや車に関する記事を書いています

自動車部品商の悩み【特別仕様車やオプションパーツ・カスタム車両の鈑金修理受注について】

スポンサーリンク

このプリウスの2枚の写真。
違いが判りますか?

 

下がベース車両(標準車)で上がモデリスタ・ネオアドバンススタイルです。

 

さらにはこんなバージョンもあります。

エレガントアイススタイル

クールシャインキット

 

この2パターンもモデリスタから販売されています。

 

さらにさらに販売店オプションではまた別のパーツも販売されています。

プリウスもスタイリッシュに変化してモダンな形になりましたね...

 

トヨタ 見積りシミュレーション | トヨタ自動車WEBサイト

型式も10系から始まり、マイナーチェンジを繰り返し今は60系まで進化しました。

 

いや。

いやね。

私がプリウスに目覚めたというわけではなくて、一口に「プリウス」という車両が何通りも存在するという事が自動車部品商や鈑金工場・整備工場を悩ませています。

 

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

株式会社大黒商会 京都営業所(@daikokusyoukai_kyoto)がシェアした投稿

 

部品商のインスタ投稿です。

もう少し詳しく考えてみました。

 

部品の流れ

この上の図を説明していきます。

 

①まず、【エンドユーザー】が事故などで破損した車を【整備工場】へ修理依頼をされます。

 

②そうしますと、整備工場さんは自社の鈑金工場もしくは【外注先の鈑金工場】へ修理の依頼をかけます。

 

③事故車の診断を行った結果、必要となる部品を鈑金工場から【自動車部品商】へ部品発注依頼をします。

 

④自動車部品商は車両情報を基に部品を検索し、トヨタやホンダなどの【各仕入れメーカー】へ部品を発注します。

 

⑤自動車部品商は届いた部品を鈑金工場へ納品します。

 

⑥鈑金工場が修理します。

 

⑦完成後、整備工場がエンドユーザーへ納車します。

 

ざっとこんな流れになります。

 

私が自動車部品商になったのは約22年前(もうそんな経ったのか...)

悲しいことにその頃から受注方法が概ね変わっていません。

 

そう。

やべー話なんです。

 

何が起こっているのか?

 

【エンドユーザー】

1オーナー車でクルマに興味のあるオーナーであればどのオプションパーツを取り付けしたのか覚えておられるかもしれません。

ですので修理の際も良心的なオーナーでしたら「フロント周りはモデリスタのパーツだからね」などと伝えてくれるかもしれませんが稀でしょうね。。。

 

ですが、そんなことは現車もあるので整備工場や鈑金工場の方ですべて解かる事と思っておられる場合が多いのではないでしょうか?

 

また、中古車を購入されたオーナーの場合は現車が標準仕様なのかオプションパーツが装着されている車両なのか全く把握されていない場合も多いです。

 

さらにはカスタムショップのオリジナルで販売されているような純正部品ではない社外部品を装着されている場合もあります。

 

【整備工場】【外注先の鈑金工場】

整備工場によっては入庫時、エンドユーザーへヒアリングを行って注意事項を確認したりされている場合もあるかもしれませんが、基本的には車検証の車台番号に沿って部品を発注されます。

 

例えばスポイラーに「モデリスタ」のエンブレムが貼ってあったりする場合は事前に「モデリスタの部品が付いてるよ」と伝えて頂けますが気づかない場合が多いです。

 

それにこれだけたくさんのオプション部品が有れば把握しているのはマニアクラスかもしれません。

 

また保険修理の場合は鈑金工場の現場からではなく「アウダー」と呼ばれる修理一覧表に沿って別部門から発注される為、さらに現車の把握がしづらくなります。

 

実際に現車を見ながら部品を発注したほうが間違いない為、部品商の担当営業マンを呼んで発注される場合が以前は主流でした。

 

【自動車部品商】【各仕入れメーカー】

部品商や各仕入れ先メーカーさんは車検証の車台番号を基に部品を検索するしかありません。

 

営業マンの人数が揃っていた時期はよく呼ばれて現車を確認しながら発注をしていましたがそれでも部品が違う場合すらありました。

標準部品なのかオプション部品なのか見分けがつかないからです。

最近では人手不足もありなかなかクイックに訪問できないのが現実です。

 

そのかわりにLINEを使って写真のやり取りを多用するようにしていますが、全社・全担当者と繋がっているわけではないので高齢の方など繋がっていない方とはFAXでのやりとりになります。

 

部品商としてもオプション部品の情報を把握したいのはやまやまなんですが、いかんせん量が多すぎてどうすることもできず・・・

当然、トヨタだけではなくホンダ・日産・スズキ・・・輸入車・・・取り扱いメーカーのオプション部品の把握管理は不可能です。。。

 

解消したい問題

返品部品

標準の部品を納品した際「部品が違う」という事が判明し再手配になります。

間違っていた部品は(すべてではありませんが)概ね部品商が引き取っているのが現状ではないでしょうか?

開封されてしまうと返品することもできずデッドストック...廃棄となり大きな損失となります。

仕入先メーカーさんにも返品依頼などお手数をお掛けするので極力ご迷惑をお掛けしたくないところです。

 

受注・発注の仕組み化

下記の項目を仕組み化して共有する必要かあるのではないでしょうか

  • 整備工場さん・鈑金工場さん⇔部品商の受注・発注は部品商の営業マンが現車の確認をして写真を撮って確認する
  • 営業マンが訪問できない場合はLINE等で写真を送って頂き必ず部品が確定するまで発注しない
  • 部品商は基本的に流れ作業と思わず「オプション部品が装着されているのではないか?」と疑う癖をつける
  • 現車標準仕様の形状を確認・共有する
  • 整備工場さん・鈑金工場さんには無理なスケジューリングを避けて頂き余裕をもって修理を行って頂く
  • できることであれば、整備工場さん・鈑金工場さんにはエンドユーザーさんからヒアリングを行って頂き情報を聞き出しておいて頂く。またダッシュボードなどにオプション部品の取り扱い説明書などが無いかも確認して頂く

 

外注先の鈑金工場さんとの関係性

余談になるかもしれませんが、通常ではあり得ないかもしれない関係性が発生しています。

 

整備工場さん(直接取引あり・受注あり・納品あり)

外注先の鈑金工場さん(直接取引なし受注あり・納品あり)

(部品の受注や納品トラブルについての取り決めは?)

部品商

 

直接取引のある整備工場さんから委託された鈑金工場さんと直接やり取りをして部品を受発注する場合があります。

 

鈑金工場さんと部品商との取り決めがきちんと行われていない場合、トラブルが発生します。

 

例えば

部品商「手配した部品を返品したいと言われましたが返品不可です」

鈑金工場さん「いらないものはいらない、なんとかしてくれ!」

依頼元の整備工場さん「お支払いできませんのでそちらでなんとかしてください」

 

なんてことが実際に起こっています。

こちらも大きな課題の一つです。

 

まとめ

部品商として、正確な商品を正確な納期で納品することが一番の使命かなと思っています。

車種やグレード、部品も細かくなってきている中で整備工場さん・鈑金工場さんと良好な関係を築き滞りなく整備・修理・納車して頂けるように、これから改善していく必要があります。

LINEの普及により情報共有の質が上がった反面、部品商のスキル向上に於いて言えばやはり現車を見て細かい部品も構成や形状を自分の目で見て自分で調べる事は続けていくべきだと思います。

仕入メーカーさん・部品商・整備工場さん・鈑金工場さん・エンドユーザーさん

五方良しのMIRAIを作っていきましょう!

何か良い改善方法がありましたらご意見ください。

お待ちしております。